不倫は不貞行為

不倫(浮気)は、「配偶者がいる者が配偶者以外の者と性的関係を持つこと」です。

法的には「不貞行為」と呼ばれ、この不貞行為は民法709条不法行為に該当します。

つまり不倫は民法に違反する行為であり、不法行為は損害賠償案件ですので不貞行為をしたものは相手から損害賠償(慰謝料)を請求されます。

第709条(不法行為による損害賠償)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

また、配偶者に不貞行為があった場合は、民法770条により離婚請求をすることができます。

第770条(裁判上の離婚)

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

上記民法770条第1項により、不貞行為は裁判上の離婚請求の条件となっています。

しかし、実際に不倫をおこなったにもかかわらず、法的には不貞行為とはならないケースがあります。

その場合は慰謝料を払う必要もなく、離婚請求も認められないことになります。

どこかで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは「婚姻関係がすでに破綻している」状態にある時です。

婚姻関係の破綻

婚姻関係の破綻とは、婚姻関係が継続しているにもかかわらず、実質的には婚姻関係が破綻していることを言います。

もう少しわかりやすい言葉にすると、書類(戸籍)上は結婚していても、実際は夫婦とはもはや言えなくなくなっている状態、となります。

なぜ婚姻関係が破綻していると不貞行為にならないのか?

戸籍上では配偶者がいるが「実生活上はもはや配偶者とは言えない=独身とみなせる」ため不貞行為とはしない、ということなのです。

「じゃあ自分も婚姻生活を破綻させて不倫相手の元へ行こう」なんて考える方もいるかもしれませんが、世の中そんなに簡単に好きなようにはさせてくれません。

「婚姻関係が破綻しているかどうかを決めるのは裁判所」なので、自分では「もう婚姻関係は破綻している」と思っても、裁判所の判断では全くそうではないケースの方が多いのではないでしょうか。

よく聞くのが「別居」による婚姻破綻の主張です。

「夫婦関係について少し考え直したいからしばらく実家に戻る」などと言って、さっそく不倫相手のマンションに転がり込んだ人がいたんですよね。

別居したからもう不倫は成立しない、との自分勝手な考えだったのです。

婚姻関係破綻の判断基準は厳しく、別居したらすぐに破綻などということはまずないでしょう。

少々具体的な例を挙げると、
(1)二人の間に小さな子供がいない
(2)長期間(数年〜十数年)の別居状態にある
(3)お互いに結婚生活を続けることを考えていない
(4)長期間、お互いに連絡を取っていない
このような複数の条件がそろい、戸籍上の婚姻関係があるだけに過ぎない場合に初めて破綻していると判断されるはずです。
一言で言うなら「夫婦の形骸化」が破綻の条件としてわかりやすいのではないでしょうか。

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