未成年者に不倫の責任を問えるのか

ご自身の配偶者が不倫をしており、相手が未成年者であったことがわかったとします。

浮気相手が未成年者だった場合、慰謝料を請求できるのか、そもそも不貞行為が成立するのか、疑問に思ったことはありませんか?

「未成年者の責任能力」が法律上どのように定義されているかを確認する必要があります。

第712条(責任能力)

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

損害の責任を負うとは、例えばものを壊した場合にその分を弁償しなければならない、ということです。

民法では、原則として未成年者はそういった責任を負わない、とされています。

不貞行為は慰謝料という損害賠償案件ですので、未成年者にはその責任を負わせることはできないことになるのです。

しかし、法律上の未成年者は20歳に達していない者と定義されていますが、責任能力のない未成年者については「物事の判別がつく年齢かどうか」というのが判断材料となっており、これは11〜12歳までとされています。

大抵の場合、不倫をするような未成年者は大学生くらいですので、不倫にかかわるほとんどの案件については相手に慰謝料を請求すること自体が可能と言えます。

第714条(責任無能力者の監督義務者等の責任)

責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

責任無能力の未成年者が損害を発生させた時はどうなるかというと、監督義務者(だいたい親)がその損害賠償を負うことになります。

但し、監督義務者が監督義務を怠らなかった時、義務を怠らなくとも損害が生ずべきであった時は責任を問えない、とあります。

責任を問われる具体的な例を挙げると、子供に安全な自転車の運転を教えていなかったため、坂道で猛スピードを出した子供が他人に衝突してしまったなどがあります。

不倫の場合は、不倫の性質及び上記の未成年者の責任能力の解釈から、親が責任を問われるということはほぼありません。

しかし、実質的に未成年者に慰謝料の支払い能力がないことが多いため、個人的にはもっと親に慰謝料支払いの責任を負わせられるようにならないものか、とも思います。

未成年者の不倫に関係する法律は他にもあります。

第753条(婚姻による成年擬制)

未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

民法には成年擬制という法律があります。

これは、未成年者(20歳未満)であっても、一度婚姻をしたものは法律上、成年者と同様とみなすということです。

例えば未成年者との契約は法定代理人(だいたい親)の同意がない場合は契約の取り消しをすることが可能です。

これが成年擬制が適用されると、法定代理人の同意があろうとなかろうと取り消しができなくなります。

成年者と同じ扱いになるということですね。

つまり、配偶者の不倫相手が未成年者であっても、婚姻歴のある者の場合は問題なく責任を追及することができることになります。

また、未成年者が離婚をした後でも適用され、一度でも婚姻をすれば民法上は成年者と同様の扱いとなります。

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