探偵の尾行は効率や費用対効果では語れない

相談者や依頼者の方から「調査員1名で尾行を依頼できないか」

「○○という場所に1名、△△という場所に1名で」などと頼まれることがあります。

世間では何事も「効率が良い」ことや「コスパ(費用対効果)が良い」ことが好まれる傾向がありますが、探偵の尾行に関しては、効率の良さやコスパから考えるのは大きな失敗のもととなります。

探偵の尾行失敗のパターン

探偵の尾行失敗には大きく3つのパターンがあります。

㈰「失尾」

㈪「見逃し」

㈫「発覚」

失尾とは尾行している相手を見失うこと、見逃しは張り込みで対象者に気づかずに見逃してしまうこと、発覚は尾行していることが対象者にバレてしまうことです。

また、失敗に至る原因はいずれのパターンも「調査員側の問題」と「対象者側の問題」に分けられますが、㈰㈪に関しては調査員側の問題、㈫に関しては対象者側の問題の比重が大きいと考えられます。

なぜなら、尾行に感づくかどうかにはかなりの個人差があり、全く周りを気にしていない人や他人に興味のない人は新人探偵が尾行しても上手くいきますし、何気なく他人の姿を記憶に残せる人や、何らかの理由で周囲を警戒している人に対しては発覚の可能性が大きくなります。

ただし、対象者がどんなタイプかは通常は実際に尾行するまではわかりません。

効率やコスパを追及するとどうなるか

そもそも尾行を効率良く行うとはどういうことなのか、おそらく誰も正しい答えなど出せないと思います。

なぜなら効率だけを追求した場合、最も効率が良いと考えられるのは、「対象者が出てくる場所の目の前で張り込みし、対象者が出てきたら見失わないようにピッタリとついていくこと」だからです。

これで尾行されていることに気づかない人はたぶん誰もいないでしょう。

一応解説しますと、このように尾行の効率を最大限追及すると上記㈰㈪の失敗は起こらないと考えられます。

但し、お察しかと思いますが㈰㈪の失敗がなくても㈫の失敗が起こります。

尾行・張り込みでは、実は㈫の失敗は最優先に避けなければならないものです。

尾行の格言の一つに「バレるより撒かれたほうがよい」というものがあります。

撒かれてもやり直しがきくケースは多々ありますが、発覚は取り返しがつかなくなるからです。

実際のところでは、㈫の失敗(発覚)を防ぐ尾行を優先すればするほど効率が悪い動きを取らなければならなくなります。

対象者が出てくる場所の目の前ではなく、すぐに認識されないように距離をあけた場所から張り込みをすることになるでしょう。

しかし、距離を離せば離すほど見逃しの可能性が高くなるので、今度は㈪の失敗が起こりやすくなります。

㈪の失敗を防ごうと思えば㈫の失敗の危険性があり、㈫の失敗を防ごうと思えば㈰や㈪の失敗の可能性が上がるのです。

つまり、効率を最優先に追求できる尾行などは存在しないと言っても良いのです。

費用対効果(コスパ)の面で考えると、調査員は最低限の1名で行えば費用を抑えるがことができ、調査で望む結果が得られればコスパが良かったことにはなります。

しかし、ほとんどの案件では調査員1名で十分な尾行・張り込みを行うことはできないでしょう。

上記㈫の失敗を防ぐことを最優先にした上で、㈰㈪の失敗も防ぐということは、いくらプロの調査員でも1名では困難なケースが多いのです。

どうしても1名での調査を望むなら、「失敗リスクは依頼者が負う」という条件を探偵側から提示される可能性が高いです。

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