探偵の仕事における危険性
探偵が主人公として活躍する映画やドラマなどを見た場合、おそらく探偵について好意的な印象をお持ちになられるかと思います。
「悪と戦う探偵」なんてものが主人公だったら、「探偵の仕事って危険と隣り合わせなんだな」という感想もお持ちになるかもしれません。
巷の映画や小説などで探偵という存在が好意的なイメージを持たれるのは探偵業界で働く者としては歓迎すべきことですが、実際の探偵は映画や小説のような活躍はできません。
なので悪の組織と戦う探偵はいませんが、現実に探偵として仕事とする上で「気を付けなければならない危険」というものがあります。
(1)調査中に違法行為(犯罪行為)をしてしまうこと
尾行や張り込みを行う調査では、無断で侵入してはいけないところがけっこうあります。
例えば対象者の住むマンションの下調べをするために、敷地内に立ち入ったところ不審人物として警察に通報されたとします。
警察が駆け付けたところでまだのんびり敷地内を下見などしていたら、住居不法侵入の現行犯となります。
他にも田舎での調査で張り込みをする場所がなく、他人の所有する田畑に潜んでいたとします。これも怪しまれて通報されればアウトとなります。
それほど大したことないと思うことでも、不審人物と思われれば通報されて犯罪となる危険性があるということです。
特に調査絡みでいろいろチェックしている場合は、他人の目には不審な動きに見えやすいでしょうね。
(2)調査中に犯罪行為と勘違いされてしまうこと
調査員が男性で対象者が若い女性の場合は、尾行・張り込みはかなり気を使う必要があります。
なぜかと言えば近年問題になっている「ストーカー」と勘違いされる可能性があるからです。
本人にバレるのは調査の仕方に大きな問題があると言えますが、周囲の人からストーカーをしているように見えて勘違いされる可能性があります。
また、探偵は尾行や張り込みとともに撮影を行うので、これを犯罪的な盗撮と勘違いされるケースはおそらく最も起こりやすいです。
そのため、各々の調査員が対象者本人はもちろん、周りにもバレないように気を使い、工夫して撮影をおこなっています。
(3)違法な依頼を受けてしまうこと
正直な話、相談や依頼をしてくる人は全て善人というわけではなく、例えば巧妙な作り話をしてストーカー行為をしている相手の居場所を知ろうとする人がいたりします。
これに引っかかるとストーカー規制法違反の共犯となってしまう可能性もあります。
そもそも探偵業法では違法な調査依頼を受けてはならないと規定されているので、普段から依頼内容が違法ではないかどうか、依頼者が犯罪行為を目論んでいないかどうかを見分ける能力は必要です。
(4)危険人物を尾行すること
これはもしかしたら冒頭の「悪の組織と戦う」に最も近いケースかもしれませんね。
但し、別に悪の組織と戦うわけではなく、マフィアや暴力団が相手なんてこともありません。
例としては詐欺師や詐欺グループの人間、国や会社に対して不正を働いている人間、つまり表向き一般人の悪人、といったところでしょうか。
そういった人物を尾行していると場合によっては本当に危険な目にあう可能性もなくはないでしょう。
(5)事故を起こしてしまうこと
これは主にバイクや車で尾行している時に気を付けなければならないことです。
車の場合はどちらかと言えば他人を巻き込んだ人身事故の危険性、バイクの場合は自身が事故を起こす危険性が高いです。
無理な尾行をしての運転ミスや周囲の状況の確認ミスなど、実際に事故を起こした場合は一生が終わってしまう可能性があります。
実を言えばこれが一番身近で怖いことですね。